※ふざけたレビュータイトルですが、内容は本格的な後宮ホラーです。
好色で、機嫌ひとつで村一つを消滅させてしまうほどの暴虐な皇帝。
その彼がいつものように後宮に抱えた女。その正体は石の妖だった。
そして夜伽の際、彼女は逆に皇帝に自らの胚を仕込む。
徐々に膨れる胎と共に、破滅していく人々、増していく狂気。
異形の価値感と思考が上に鎮座し、その下に人の情念が蠢き、所謂「男性的な男性」の尊厳を如何にして、時間をかけて破壊していくのか、という点に心血を注いだ作品と感じました。
眼を覆いたくなるような残酷さがありながら、恐ろしいほどに読み進めてしまえるのは、ひとえにベースとなった中国史への理解の高さと、それを詞的なテンポを書き表せるたしかな力量があればこそだと思います。