「感情を売って幸福を買う」という設定がまず強烈で。
けれど本当に印象に残ったのは、その異様な世界観の奥にいる、一人の少年の姿でした。
人を殺すことを強いられ、罪悪感や悲しみさえ○×(ネタバレ)しなければ生きていけない。
そんな彼が、仮想世界の中で友達と笑い、ハンバーガーを食べ、水遊びをする。
その何気ない時間が、読んでいるこちらにはとても眩しく感じられます。
だからこそ、「幸福とは何なのか」「それを誰かに与えられるだけで、本当に幸せと言えるのか」と考えさせられました。
重く、痛々しい物語なのに、ところどころに確かな温かさがある。
その温度差が、とても印象に残る作品です。