言葉によって人は簡単に傷つきます。些細な言葉が、いつまでも心に刺さって抜けないことがありますよね。この物語の主人公も同じです。とても繊細で、それでいて強いふりをしてしまう。優しい子です。そして、その子を見守る父親も優しいです。オムライスが上手で、気遣いができて、一緒に笑い合える。そんな二人ですから、人から言われた世界という小さな箱から、自分をちょっとだけ抜け出させることはできると思います。素敵な言葉が散りばめられた掌編です。
小さな折り畳み傘は、二人には少し狭かった。片方の肩だけ濡れていく父さんに、空は黙って手を伸ばす。傘の柄を握り直し、真ん中へと戻す。それだけで、何も言わずに交わされる会話がある。ダメージは二人を傷つけるのかもしれない。けれど、同じだけ強くもしていく。彼らは同じ戦場で譲れないものを守る戦友。「言われると辛い」「そうよね」。慰めでもなく、説得でもなく、ただ受け止め合うだけの相槌が、静かに積み重なっていく。二人の流した涙雨の分だけ、幸せがありますように。
父と子の会話。その一つ一つのやり取りが相手をこれ以上になく想い合っていて優しくて、読み終わった後にじぃんと心が温かくなるお話です。特にお父さんがすごく素敵で……大きめの傘、必要だよねそうだよねってなります。ちょっと一回読んでもらっていいですか?生きづらさとか苦しさを感じた時、たくさんの人に届いてほしいお話(⸝⸝⸝´꒳`⸝⸝⸝)