この作品は、世界を救ったヒーローたちの活躍ではなく、その役目を終えた後の人生を描いている点が魅力だと思います。
特に印象に残ったのは、元アオマモルの青池雄介が、息子の運動会でかつての俊足を見せようとするエピソードです。過去の自分と現在の自分との落差が軽快なコメディとして描かれていますが、同時に、栄光を失った人間の寂しさや、家族の前で格好いい父親でありたいという気持ちも自然に伝わってきました。
また、元クロマモルの黒江美奈が、かつての人気女優という立場から離れ、名前のない小さな役と向き合うエピソードも印象的です。求められる役割の変化を受け入れられない葛藤には、ヒーローに限らず、年齢や環境の変化を経験した人なら共感できるものがあると思います。
単なる落ちぶれたヒーローを笑う物語ではなく、過去の肩書や他人からの評価に縛られた人々が、現在の自分にできることを見つけ直していくところに、この作品の芯があります。
笑いの中に人生の苦みと希望を感じられる、大人たちの再生を描いた物語を探している方にオススメする作品です。