人間社会が完全に逆転している世界観によるショートショートは、飛躍的な発想の連続で驚いてばかりでした。
視点が逆転することで日常を異常に見せる手腕はお見事で、当たり前を疑わせる発想は、今の混沌とした時代において、とても重要な示唆を含んでいるように感じました。
宇宙人、卵かけご飯という日常的な食べ物、食用の魚に由来するサーモンピンクーー
エッジの効いた皮肉やブラックユーモアは、結果的に人間らしさとは何かを問いかけ、さらには
文明、知性、アイデンティティにも踏み込むことになります。
礼儀正しくて真面目なエフ氏が降り立つ「地球」は、見方を変えると案外、変わった場所なのではないか……。
SFと寓話の融合による物語には爽快などんでん返しが待ってますので、読後は心地よく賢くなった気持ちになり、世界の見え方も少しだけ変化しているかもしれませんよ。