軍事に興奮する豚。
投資チャートに張りつく豚。
ブラック企業あるあるに笑いながら、自分の古傷を撫でている豚。
その豚の前に、オークキングが現れて、限界労働者に飯を出す。
豚である。
オークとは、ほぼ豚である。
その王格のオークキングである。
オークが労働豚を救っている。
つまり、豚が豚を救っている。
もはや何を言っているか分からなくなるが、オークへのシンパシーがここにある。
普通、オークといえば、異世界ファンタジーでは蹂躙する側、暴力と略奪の豚である。
だが本作のオークキングはエプロンを着ている。その優しさが妙に実務的で、労務に強い。
「食え」「寝ろ」「休め」「有給を取れ」
ブラック企業で壊れた人間にとって、最も必要な言葉を語る。
気がつくと魔王軍の一員となる。そんな物語がここにある。
我々はだいたい豚である。