「鏡写しの京都」という舞台設定が非常に魅力的です。
特に印象的だったのが第1話です。いつもの地下鉄、いつもの街並みのはずなのに、少しずつ違和感が積み重なっていく。東山に沈む夕日や、反転した道路、地図から見えてくる異常など、主人公と一緒に「知っている京都なのに何かがおかしい」と気づいていく過程がとても良く、不思議な異界へ迷い込んだような感覚が味わえました。
異能の設定も面白いです。独自の用語が多く登場しますが説明がわかりやすく、物語を追いながら自然に世界観へ入っていけます。「境界術」「写シ怪」「黄泉流し」「軌跡刀術」など、固有名詞の響きも格好良い。
そして読み進めるほど気になってくるのが、鏡京都という世界そのものの謎です。なぜ正京都と鏡写しの世界が存在するのか。もう一人の瑞紀は何を知り、なぜ世界を越えたのか。
境界術や怪異との戦いを楽しみながら、その奥にある大きな謎を追いかけたくなる作品です。