ヒマワリを植え替えていた小学生の「あたし」の前に突然現れたのは、土用坊主という、四季のあいだにある五番目の季節、「土用」の神様。
ふだんの武江様の御作ですと、ここから恐るべき災厄が起こってもおかしくないのですが、この土用坊主、我儘で傍若無人ながら妙に愛嬌があり、現代社会にも詳しかったりして憎めません。
土用坊主を縁日に連れていくことにした「あたし」ですが、案の定そこでは大騒動が――。
破天荒な神様と、神様にも怯まないクールで聡明な「あたし」の、テンポ抜群の掛け合いが愉快で、人間のたくましさや愚かしさに呆れながらも笑ってしまう。
嵐の過ぎ去ったあとのような、一種すがすがしい読後感を残す快作です!
日本人なら誰もが聞いた事のある
土用の丑の日! でも、本当は鰻の日では
ないんですよ?
春夏秋冬の間にあって、土いじりをしては
いけないのだとか。陰陽五行説の考え方で
木火金水を四季に充てた残りが土。
そして 土用坊主 とは、是如何に。
さて。夏休みに持ち帰った向日葵を土に
直植えしようとした小学生の女の子。
土の中から湧き出した 土用坊主 から
いきなり説教を喰らう。
そして、土いじりをした罰にトンデモナイ
要求をする。まさに泥試合の応酬。
夏の楽しいお祭りの光景に混じる
土用坊主。しかも、ちょっとやり過ぎ。
楽しいお祭りの縁日が阿鼻叫喚と狂喜乱舞に
塗り替えられて…。
ちょっと為になるけど、やっぱり最後は
こうなるのか、と。
痛快で、ユーモアと泥に塗れる
とある夏の、土用物語。