8話まで読了です。
タイトルから「呪い」を扱ったホラー作品だと思って読み始めましたが、8話まで読んで強く感じたのは、むしろ、人間の感情そのものの怖さ、でした。
夫の不貞を疑い、探偵に調査を依頼する増岡翡翠。
最初はまだ「もしかしたら自分の思い過ごしかもしれない」という気持ちが残っているのに、調査結果を突きつけられた瞬間、その感情が悲しみから憎しみへと変わっていく。
この変化が生々しい。
そして、そこに現れる探偵・長野。
人懐っこい笑顔でコーヒーやお菓子を出してくる一方で、お金の話になると別人のような顔を見せる。
この人物がとにかく気になります。
「この人は一体何者なんだ?」という疑問を残したまま物語が進んでいくので、長野が登場するたびに、何か起こるのではないかという不穏さがあります。
また、翡翠だけではなく、今泉楓、久井志伊良と複数の女性たちから物語が展開していく構成も面白いです。
それぞれが抱えるものが、単純な「怪異に襲われる」という話ではなく、人間同士の嫉妬や憎しみ、裏切りと結びついている。
だからこそ、タイトルの「呪海」という言葉が、単なる怪異の舞台ではなく、人間の悪意そのものを表しているようにも感じられます。
8話まででも、すでに「この先、どこまで壊れていくんだろう」と思わされる展開。
ホラーでありながら、人間ドラマとしての怖さもかなり強い作品です。
そして何より、長野という男。
この男が何を知っていて、何を企んでいるのか。
そこが気になって、続きを読まずにはいられませんでした。
人間の心にある「呪い」が、少しずつ形になっていくような作品。
じわじわと嫌な予感が積み重なっていくタイプのホラーが好きな方には、ぜひ読んでほしいです。