現代ドラマ、異世界ファンタジーを主戦場にしている高山あきらさんが書かれた、人間心理を分析したエッセイです。マウントという、ある種卑近な心理的な行動をきちんと理由づけて解説されておられます。文章がしっかりしていて、でも難しい言葉も使わないので読みやすいです。「カクヨム風の論文」といった趣です。
特に印象的だったのが「脆弱な高自尊心を持つ人は、自分には価値があると信じているにもかかわらず、その確信が十分に安定していない。そのため外部からの承認や評価を通じて、自らの価値を補強しようとする傾向を示す」という部分。なるほど、だから不断の努力で、他者にマウント取り続けないと、自分自身にほころびが出るわけですね。
そして、さらに興味深かったのが、それは実は受け取り側の問題も孕むと。聞く方も心がざわつき、焦り、簡単に「勝手に言っとれ」で済ませられないのは、自身が比較と序列から自由になれないからなのだと。
一文ごとに「なるほどなあ」と唸らされました。
こういうマウンター(って言葉あるのかしら?)の描写をする機会があれば、受け手も含め、創作の参考になると思いますよ。
わたくしはお勧めします。