「たぬき」という言葉だけでここまで綺麗なミステリーが書けるのか、と驚きました。動物名を持つ登場人物たちが自然に配置され、コミカルな雰囲気のまま物語は進みます。しかし、その裏では証言が積み重なり、少しずつ真相が見えてくる構成が実に見事。笑いながら読んでいたはずなのに、最後にはしっかり一本の推理小説を読んだ満足感がありました。やはり、たぬきは何もしていない。証拠はありません。