皮膚の異変が“呪い”と呼ばれる世界。
現代日本の皮膚科医レナが迷い込む設定が新鮮で、医療とファンタジーが自然に結びついていきます。
夜に這う痣、白い呪印、陽を避ける者、銀の鱗――
祈りでも魔法でも治らなかった症状を、レナは医学的知識で一つひとつ紐解いていく姿が痛快です。
治せるものもあれば、治せないものもある。
それでも「呪いじゃない」と分かるだけで救われる人がいるという視点が、物語に温かいリアリティを与えています。
異世界の住民たちが抱える不安や恐怖に寄り添いながら、皮膚科医としてできる限りの診療を続けるレナの姿は頼もしく、読後に静かな希望が残る一作です。