渋谷を舞台に活動するカメラマン佐谷田が、元捜査一課の女探偵である地井玲香から依頼を受け、殺害事件の被害者邸を撮影するところから物語が動きはじめます。
何気なくファインダーを覗いているだけのはずが、写真を通して「何かがおかしい」と気づいていく展開が面白く、ついページをめくっています。
特に魅力的なのは、カメラマンだからこそ見えるものを推理の手掛かりにしているところ。
アナログ一眼レフやフィルム写真という題材も作品の雰囲気によく合っていて、現代のデジタルカメラとは違う、写真そのものが持つ記録の力を感じさせる作品です。
また、過去のフィルム写真など、序盤から気になる要素が次々と提示され、それらがどう事件につながっていくのか先を読みたくなります。渋谷という街の変化や、蕎麦屋などの日常的な描写が事件の舞台にリアリティを与えているのも好印象。
本格ミステリーは、途中途中ではなかなか読みにくいと感じる方も多いでしょうが、この作品、完結していますので、今こそ、読まれることをお勧めします。
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