まるで夢と現実の境目があいまいな夏の街を一緒に歩いているようななんとも不思議な気持ちになる連作です。
風鈴、氷菓、蝉の声、陽炎、潮の香り。迷子になっているのは街の中なのか、それとも私の心の中なのか。
五感をくすぐる情景が丁寧に積み重ねられ、この連作全体が、どこか懐かしく切ない空気に包み込まれています。
最後に青い海へ向かって坂を上る一首が、夏の終わりではなく次の季節への新しい第一歩を予感させ、それがこの作品がまだまだ続くような、そんな気持ちにもなる作品群でした。
とっても素敵です。
夏の記憶の中を歩きたくなります。