空に深く刻まれた裂傷、空の傷跡(スカースカイ)。
その傷跡は、女子高生の澪の精神とシンクロしている。
澪の幸福度が高まれば傷跡は小さくなり、絶望が増せば傷は大きくなり世界の破滅が訪れる。
澪の幸福度を保って世界を存続させる重責は、クラスメートの駆に託されていた。
一年前の事件から記憶を失い絶望を感じがちな澪の精神に合わせ、世界を侵蝕していくスカースカイの重苦しさが凄いです。
緩慢に世界が滅んでいく閉塞感のなかで、駆と澪が築いていく小さな青春は儚く尊く美しい。
独特の雰囲気に脱帽です。
一緒にストロベリーチョコレートを食べたり、喫茶店でココアを飲んだり、駆と澪が過ごす何気ない日常にこそ価値があるのだと思わせてくれます。
絶望の足音が近づくなか、静かだけど日常の幸せを感じさせてくれるストーリー。
そして澪の絶望を駆は払拭できるのか。
絶望に抗う少年少女と、その行く末に浸ってほしい珠玉の一作。