深刻な状況でも軽い読み口で、楽しく読めてしまうところに高い技術を感じました。
本人だけが自分の過去を知らない設定が面白いです。救世主や勇者、聖者だったと言われるのに、本人は「え、俺が?」という温度差がとても楽しいです。
赤ん坊になってしまう展開には笑いましたし、ノアになってからも、本人は普通に人助けしているだけなのに周囲がどんどん「聖者様!」と神格化していくのが面白かったです。
マーガレットさん、完全にノア推しですねw
一方で一周目とは違う治癒や、最後の赤字の帳簿など、今後の展開を感じさせる部分も気になります。失われた記憶や、世界が巻き戻った理由がどう明かされていくのか、続きも楽しく拝読させていただきます。
全人類が一年前へと巻き戻り、二周目の人生を歩み始めた世界。けれど、世界を救ったはずの少年ロイだけは、その記憶を失っていた――。
自分の過去を知らないロイの前に現れるのは、彼をよく知る剣聖シズや元許嫁マリア、そしてかつて彼に救われた人々。周囲はロイの功績や思い出を語るのに、本人にはその記憶がない。このすれ違いが、謎めいた設定の中にコミカルさと切なさを生み出しています。
やがて魔王との決戦を経て、ロイは姿を消し、別の場所で「ノア」として新たな人生を始めることに。英雄だった少年が幼い身体で修道院の暮らしに向き合う展開も興味深く、薪の残量から生活の問題を見抜くなど、年齢にそぐわない知恵が垣間見えるたびに、彼の中に残るものが気になります。
そして、ロイを失ったシズが日記帳を大切に守り続ける姿には、胸を締めつけられます。世界を救った英雄の物語であると同時に、彼を知る人々の想いと、本人の知らない過去をめぐる物語でもあるのです。
記憶を失った英雄の再出発と、彼を待ち続ける人々。 謎と人間ドラマが交差する、先の展開を追いたくなる作品です。
主人公だけが知らない過去があって、周りの人物たちはその過去を知っている
この構図がとにかく上手くて、主人公と一緒に読者まで「え、何があったの?」という状態に置かれます
しかも、過去を少しずつ知っていくたびに、今まで普通に見えていた人物や出来事まで違って見えてくるのが面白い
恋愛ものとしても気になる関係性がいくつもあるのに、それだけで終わらず、「一周目」という要素が入ってくることで、誰を信じればいいのか、主人公の知らないところで何が起きていたのか……と先が気になってしまいます
7話まで読んだ段階でも、まだ全部を説明されていないからこそ続きが読みたくなる作品
「主人公の知らない過去」を読者にも少しずつ見せていくタイプの作品が好きなら、かなり刺さると思います