声をテーマにしたオムニバス作品。放送室から聞こえる声、誰かを励ます声、家族の声、応援する声。形は違っても、そこには必ず誰かの想いが宿っています。印象的なのは、登場人物たちが自分の声が相手に届いたと知らないまま、時間が過ぎていく物語が多いこと。何気なく発した一言が、誰かの記憶に残り、その人の人生をそっと支えている。派手な展開ではありませんが、読み終えたあと、自分がこれまで誰かからもらった言葉や、何気なく誰かにかけた言葉を思い出したくなる、優しい連作です。【レビューコンテスト応募】