短歌とは、定型詩である。
定型であり、尚且つ詩でなければならない。
而して、現代歌壇の現況を鑑みるに、
「定型」であれば自然と「詩」であると謂う定義が罷り通っている、と見受けられる。
此処にて強調をして置きたいのは、
「詩」である事と「定型の一小節」である事の間には、曰く埋め難い深淵がある、と謂う事なのである。
その一点に於いて、当該の作品の着眼点は正しい。と謂えるであろう。
少なくとも、凡百の「三十一音の一小節」よりは、遙かに「詩文」である。
形而上的存在論、或は言語論を衒いつつ、
「エモ」に落し込む打算、或は「ウケの良さ」への配視を除いて、ではあるが。
「詩」を忘れた定型の一小節は、「短歌」ですらないであろう。
応援と批判、そして選考者の歴々への
――引いては歌壇への――
警告文として、短評文を起草させて頂いた次第である。
当作が、選考の俎上にて討議をされる事を、切に願いつつ。