本作は異類婚姻譚ホラーということですが。民俗学系ミステリー色の方が強い作品かな、いうのが最終話……の一個前まで読んだレビュー者の感触となります。
舞台は三重県の英虞(あご)湾に浮かぶ架空の孤島、月津島(つきつしま)。時代は現代です。
主人公は人魚(怪異)の真魚実さん。
とはいえ、正しくは人魚と人間のハーフのよう。
真魚実さんが、真魚実さんの実の両親を殺したらしい、知能指数の高い殺人鬼、青沼皇司さんという男性のもとへ嫁ぐ、というところから物語は開始します。
両親の仇との結婚。「復讐系か?」と初見ではなることでしょう。そしてほかの人魚たちとの関係を知り、「不遇系か?」ともなるかも。
ですが……後ろへ読むにつれ、思うのです。真魚実さん、強いな!?と。メンタル的に強いのか、フィジカル的に強いのか、その両方なのかは、直接ご確認ください。
作中で主にミステリーを担う謎は、
・〈赤い肉〉と〈青い肉〉とは何なのか。
・〈魔法の短剣〉とは何なのか。
についてでしょう。
これらのキーワードがどんな文脈で登場したのかはネタバレになるので伏せます。ですが、このキーワードについて解き明かす手法はこの作者様らしさがよく出ており、童話や神話を民俗学的手法(たまに生物学的なものもあり)でもって論理的に解き明かしていくのです。これは本当に、刺さる人には刺さる。
そしてこれらのキーワードについて解き明かしながら同時に、真魚実さんの両親と青沼皇司さんは過去、何があったのかも解き明かしていく。
レビュー者はどっちかというと真魚実さんの両親の方が怖かったです。そしてその次に(両親とは違う意味で)真魚実さんが怖かったです。サイコパス設定であるだろう青沼皇司さんより。え、どういうこと?と思った未読の方はぜひ、直接ご確認ください。
というかやっぱり……真魚実さん強すぎるっす。カッコいい(距離を保ってレビュー者、尊敬の眼差し)。
最終話はナツガタリ最終日の前日に投稿されるということで、レビュー者も未読。最終話以外も未読の方はぜひ、お休みの日を使って一気読みしてみてください。何人かはきっと「真魚実さん強っ」となるはず。
お勧めです。