盗みを働こうとして捕まった大泥棒が命じられたのはなんとお嬢様の執事!?
しかもお嬢様は父の仇を取るために復讐を誓っていて……!
という設定から引き込まれるこの作品。見どころはなんと言っても魅力的なイケオジと芯のあるお嬢様の関係性です。
大泥棒と謳われた「蝙蝠(ヴェスペルティリオ)」、通称ヴェスはくたびれたおっさん。だけども酸いも甘いも嚙み分けたおっさんからしか得られない魅力がたくさん詰まっています。
普段は飄々とした性格でお嬢様に振り回されている彼ですが、大泥棒としての実力は本物。「千の顔を持つ男」の異名のとおり、自分の立場や容姿を変えて任務を遂行します。
やる気がないように見えて情に厚く、そして過去を背負う男。「おっさん」の魅力は若い子が知らない人生の苦労や悲しみをすべて知っているところにあると思うのですが、ヴェスもまさに知れば知るほど彼の魅力に引き込まれていくイケオジです。
そしてもう一人の主人公であるロレッタ。彼女は貴族の娘ですが、父親を死に追いやった人物へ復讐をするためにヴェスを執事として雇います。
時には自分自身の身まで利用するしたたかな彼女ですが、優しい性格で恋愛小説に憧れを持つという年相応な可愛らしさもあります。
元大泥棒と貴族の娘という異色の組み合わせの2人ですが、だんだんと信頼関係を結んでいく過程がとても心地よく、もっとこの2人の活躍や日常を見てみたいと思いました。
はたしてロレッタの復讐は成功するのか?ヴェスはどう立ち回るのか?
魅力的な2人のキャラクターと共に、ぜひ物語を追いかけてほしいと思います。
読めばあなたもきっと、ヴェスに心を盗まれてしまうはず!
「大泥棒が執事になる」という時点でもう面白いのですが、読み進めるほどに、ヴェスとロレッタの組み合わせが癖になります。
飄々としていてどこか掴みどころのないヴェスと、気が強く、自分の目的のためなら大胆な行動にも出るロレッタ。
特に舞踏会で見せるヴェスの身のこなしや、「蝙蝠」と呼ばれた大泥棒としての顔には、普段のくたびれた雰囲気とのギャップもあって惹き込まれました。
一方で、ロレッタが抱えている「復讐」の理由も少しずつ見えてきて、単なる主従関係では終わらなさそうな二人の行く末が気になります。
5話まで(自分が読んだ範囲内です)でも既に、キャラクターの魅力と二人の関係性がしっかり伝わってくる作品。
この先、ヴェスとロレッタがどんな「仕事」をしていくのか、続きが楽しみです。
本作は義賊に近い大泥棒のおじさんと、父親の復讐のため突っ走るお嬢様の出会いと、これからのお話です。
キャラクターがいきいきしていて、一気に惹き込まれます。
本作はイケオジの中編コンテストということで主題はイケオジなのでしょうが、ヒロインも良いのです。お嬢様としての振る舞いは完璧で、でも勝ち気で横暴で、でも実は……と二面・三面あって、可愛い!!と感じさせる。
そして肝心のイケオジさんは、草臥れつつも、何か暗い過去を感じさせ、その一方で優しさもある。
このふたりが織りなす物語は魅力的で、読む手が止まりません。やはり、物語を魅力的にするには誰か一人に魅力を傾けるのではなく、キャラクターそれぞれに魅力とドラマがあってこそということでしょう。ちなみに、初めからいる執事さんも良いキャラしていて魅力的です。
しかし、本作の進行の軸にあるのは復讐。復讐が軸となると、たいてい結末はあまり愉快なものではありません。スカッと系はそれでも愉快なのかもしれませんが……本作はスカッとさせるタイプではありません。
ご安心ください。
結末はしっかりハッピーエンド。なんならイケオジさんは最後、何かを盗んじゃいます(それが何かは直接お確かめください)。
お勧めです。
未読の方はぜひ、草臥れ系イケオジと横暴なお嬢様の紡ぐ楽しく、切なく、微笑ましい物語を堪能してみてください。
大泥棒の蝙蝠(ヴェスペルティリオ)が捕まった子爵令嬢のロレッタ。
彼女は自殺した父の復讐を果たすために、年老いた執事の代わりを探していました。
ロレッタは復讐のために、フロックハート伯爵令息と結婚しようと考えます。
そして、伯爵令息を落とすためにあれやこれやと策を練り、ヴェスもそれに協力させられることに。
くたびれおじさんと呼びつつも、ロレッタはヴェスの事が気になる様子。
ヴェスは高飛車なロレッタに呆れながらも彼女を守りますが、ただ一つ、復讐には否定的。ある時、彼女の前から姿を消してしまいますが……。
いや、ヴェス、くたびれてますがイケオジです✨
彼が最後に盗み出した二つのもの、それをどうぞ見届けてください。
渋みのある男ぶりに惚れます!