ナツガタリ作品応援になります。元々作者様の別作品が大好きでして、作者様推しです。
孤児のアンリオンと伯爵令嬢ローズ。
二人は身分差も関係なく仲良く育てられたものの、聡いアンリオンはローズに忍び寄る魔の手に敏感に反応。
第一ターンはローズが自由奔放に過ごし、目の前に見えるものや言葉が美しいと妄信してしまうところ。
後半にかけてローズがしてしまった過ちを振り返り、彼女がじつに人間らしくゼロから自分の行動や言ってしまった言葉を猛反して民のために尽力を注ぐところ。
第二ターンはアンリオンがまさかの方向に向かっていくところ。過去を振り返りつつ、二人の合言葉を紡いでも「もう来ないということは…」と切ないシーンが過ぎり涙なくては読めません。
お互いがお互いを一番大切であったことに気づかされるのは、離れてからであり、作中の離れての七年間でローズの目覚ましい成長がすごく胸に刺さります。
アンリオンは何があっても一貫してローズのために尽くしているので、彼のブレないところと、その愛が重いというキャッチコピーも納得の一作です。
最後のシーンに至ってはここにきてよかった、噴水のシーンも実にふたりらしいなと微笑ましい部分です。
磨かれた情景模写とご都合主義がまったくない恋愛観。このローズの恋愛に対する態度と中盤で婚約解消に至った時に放ったセリフが非常に好感持てます。
よくピックアップされる令嬢ものではなく、ごく普通に生活している令嬢と、孤児として窃盗団で育った少年との愛を育むストーリーです。
「ギャリュピョ」 その言葉に意味がないからいいのよ。
そして、なぞなぞの答えは鏡。
作中で出てくる二人の何気ない掛け合いや、美しいバラの咲く庭とお母さまが見守っているような青空を見上げるシーンが大変美しいです。
ぜひ最後までこの文章にどっぷりと浸かってください。