命が絶望を覚えるとき、人は自ら命を断つのでしょうか。
死を目の前に抱くことで毎日を生きることが当たり前ではなくなっていく心と身体。
あのとき死ななくてよかったと振り返る二人のキセキ――この巡り合わせは二つの小さな命がまだ生きていたいと心の奥底に残る、そんなわずかな希望にすがる物語です。
死の淵からのぞく命の灯への明転。そこに救済の余地が残されて、暗闇の中でも見えない光を感じることができました。
生きているからこそ、また歩き出すことができる。
生きているからこそ、新しい一日を迎えることができる。
目に見えない当たり前の命を、見つめ直すことは難しい。
だからこそ心で今を生きていることを受け止めたいと思える。
生きてさえいれば、きっと――
この物語は忘れかけていた気持ちを思い出させてくれる。
うまく歩けなくてもいい。
些細なことでクヨクヨしたっていい。
たとえ自分のことが嫌いになっても
命があなたを嫌うことなど、起こりはしない。
あなたが明日をどんなに嫌っても
あなたを嫌う明日など、起こりはしない。