おにぎり屋の娘・桃果ちゃんと、古びた祠に潜む「何か(神様やあやかし)」との、優しくもどこか神秘的な交流を描いた、心がじんわりと温かくなる素晴らしい和風ファンタジーの開幕です!
冒頭の「消えた場所だけが、温かかった」というフレーズのセンスが抜群で、一気に物語の空気感に引き込まれます。単におにぎりを作るだけでなく、鬼灯家に伝わる「塩で境を引く(渡すための手にする)」という独自の味付け・設定が秀逸で、これが祠の存在への伏線として非常に美しく機能しています。
お昼休みにクラスメイトたちが桃果ちゃんのおにぎりを絶賛するシーンでは、お米の甘みや塩の溶け具合といった「五感に響く美味しさ」がリアルに伝わり、読んでいるこちらまでお腹が空いてくるほどの臨場感があります。
夕方、他愛もない学校の報告を聞きながら、祠の主が「だから、好きなのだろうな」と桃果ちゃんの真心に心を動かされ、ラストで木々がざわめく演出は見事な余韻を残します。この美味しいおにぎりが、これからどんな優しい奇跡を起こしていくのか、続きが本当に楽しみになる満点のエピソードです!