主人公の千春が、偶然やっくんという妖怪を保護し、共同生活がはじまる。
王道の導入ではありますが、やっくんがとにかくかわいい。
250年を生きた「野衾」という家の守り神のやっくんが、現代の知識を得て完璧になっていく。誰しもが「我が家にも来てください」と頼みたくなるでしょう。
そして千春と共に生活していくうちに、関係性が少しずつ変化していきます。
その少しずつ変化していく様子を、いつの間にか微笑ましく見てしまうのです。
そして最後には、「我が家にこなくていいから千春ちゃんとずっと一緒に」と思うことでしょう。
飼うには適していない、暖かい2人の物語。
看護師の佐伯千春と、二百五十歳の蝙蝠妖怪・久遠院夜行(やっくん)。ひょんなことから始まった二人の不思議な共同生活を描いた、胸がじんわり温かくなる作品です。
自分の腕から迷わず採血して血を差し出す千春さんの男前なカッコよさと、家事をして恩返ししようとするやっくんの健気さがたまりません。
うちにもこんなにかわいいやっくんがいてくれたら……と思わず妄想してしまうほど(笑)
現代文明にいちいち目を丸くするやっくんの純粋な可愛らしさと、彼を愛でる千春さんの掛け合いは微笑ましく、全編を通してお互いを思いやる姿に心がほっこり癒やされます。
そして、困難を乗り越えた末に二人の関係性が一段と深まる瞬間。思わず胸がきゅんとしました。
人とあやかしが育む温かな絆が丁寧に描かれている本作。
あやかし恋愛好きとしてとっても楽しめる物語でした!