知る人ぞ知るク◯ゲーとして愛される『ミシシッピー殺人事件』。そのタイトルをもじったミステリー……なのですが、まず一言、言わせてください。
これは元ネタを超えています。
なんですか。至極真っ当なミステリーではありませんか。
ミシシッピーの名を冠するなら、中身もきっとそれなりのものなのだろう――そんな先入観を抱いてはいけません。故に戒めとして、レビュータイトルとさせていただきました。
もちろん、元ネタをまったく知らなくても楽しめます。登場人物たちの軽妙な掛け合いが心地よく、やがて起こる殺人、不審な乗客たち、謎の人物、そして幾重にも重なって明かされる「ニシピッピ」の意味。作品の魅力のほとんどは、元ネタにはない本作固有のものです。
ここまでですでに満点なのですが、知る人には嬉しい「飛んでくるナイフ」と「落とし穴」のサービス付き。コントローラーを投げるどころか、帽子を投げて快哉を叫ぶところでした。
もっと多くの人の目に触れて欲しいユーモア・ミステリーの傑作です。
……え、なんでそんなに『ミシシッピー殺人事件』に詳しいのかって?
ただの教養です。世代ではありませんので。