たしかに最初は、単純に「なぞ」を暴きたかったのだろう
主人公の雑誌記者・森田
サッカーで有名な大学の元選手
彼は、ぐうぜん、「天才」としか言い表せない少女のプレイを見た
この少女の記事を書きたい!
スポーツ担当記者としての情熱が、森田を少女の地元へと向かわせた
ところがそこで、森田は奇妙な事実を目の当たりにする
天才サッカー少女剣奈をとりまくいびつな環境
さらに、剣奈自身が、あまりにも不自然な存在だった……
スクープの予感に森田は沸き立つ
そして、剣奈のなぞを追い始める
徐々に森田は、歴史の暗部へと足を進めることになる
いったい、剣奈の背後にはどんな「なぞ」があるのか
少女は何を背負って生きているのか
それは、ひょっとすると――
触れてはいけない暗闇なのかもしれない
荒唐無稽な推理?
あるいは、それこそが真実?
「なぞ」が明らかになったと思えば、覆され
新しく推論を組み立てたと思えば、矛盾が出てくる
果たして、森田は真実にたどりつけるのか
なによりも、しだいにただの取材対象ではなくなっていく剣奈という天才少女を
彼は暗闇の中から救い出せるのか
アツイ記者・森田と一緒に「なぞ」を追え――!
体験型ミステリー
ご一読を
主人公でスポーツ担当記者の森田誠はサッカーの地方大会の録画を見て驚愕します。
天才サッカー少女「久志本剣奈」――彼女が出場するU-12試合を見たところから奇妙な運命の歯車が動き出します。
目を疑うような身のこなし。この反応速度。
青天井の体力を前にサッカー経験者の森田の目には「人造」のイメージがよぎります。
彼女のあどけなさと可愛さからは想像もつかないほどの輝ける身体能力。
しかし、彼女の素顔の裏には出生の秘密とその家族とに関わる陰謀めいた底知れぬ闇が隠れていたのです。
これらが見事な対比を生みつつ心の和みと胸の底の粟立ちが綯い交ぜとなる複雑な気持ち。
それでありながら味わえる深い没入感。
こんな数奇な巡り合わせは、まさに奥妙と言えましょう。
また森田はある時、紀伊奥地で散発する行方不明事件にまるわる記事に釘付けになります。
その場所は地図にはない和歌山県・久継闇原村。
地元住民も震え上がる絶対の禁足地で知られるその場所は伝説の不老不死薬と紅い川にも関与していると、森田は関連する文献資料から突き止めます。
荒唐無稽とも思える出来事が、目に見えない秘密裡で繋がっている事実の数々。
第三者目線で語られるモキュメンタリーの側面も併せ持ち、謎の解明に切り込む展開手法は本作の大きな魅力の一つ。
久継闇原村は本当に存在するのか?
森田を執拗に監視する「紅の双眸」の正体とは?
触れたら最後――取り返しがつかない絶対の禁忌。
しかし、好奇に魅せられた森田は……
作者様の大人気作・剣奈シリーズのパラレルワールドでありながら、高い構成力で織りなされる闇の里と政府の陰謀に迫るサスペンス&ミステリー大作。
剣奈たちの愛らしさの裏に隠された闇を解き明かすほど、真実の顔が近づくほど謎の脅威が増していく……
緻密で上質なミステリーをぜひお楽しみください。
始まりは、一人の少女サッカー選手への取材だった。
小柄な身体からは想像もできない身体能力を持つ少女・剣奈。その才能に興味を持った週刊誌記者の森田は、彼女について調べ始める。
ところが、一つの疑問を追えば新たな謎が現れ、家族、過去、古い伝承、徐福、不老不死、辰砂、そして何度も姿を見せる不気味な「紅い双眸」へ……。
気づけば物語はスポーツの世界を飛び出し、歴史と民俗、オカルトが入り混じる壮大な伝奇ミステリーへと変貌していきます。
特に面白いのが、主人公・森田の推理です。
記者として抜群の行動力を持つ一方、とにかく想像力がたくましい!
「すべて繋がった!」と確信したかと思えば、新しい証言一つで仮説が崩れ、また組み直す。
その繰り返しが楽しくて、いつしか読者自身も「いや、それは違うのでは?」「でも、もしかして……」と一緒になって真相を追いかけてしまいます。
新聞記事や論文、聞き込み、ブレストなどから少しずつ情報が開示され、次なる土地へ調査範囲が広がっていく構成には、どこかサウンドノベルや伝奇系アドベンチャーゲームを思わせるワクワク感もあります。
そしてコミカルな推理劇の奥にあるのは、森田が剣奈を「取材対象」ではなく、一人の大切な少女として案じるようになっていく温かな感情です。
そのため物語が不穏になるほど、「どうかこの子たちが無事でいてほしい」という思いも強くなっていきました。
笑える。怖い。怪しい。そして切ない。
歴史伝承と現代社会の境界が少しずつ曖昧になり、気づけば「こちら側」から「あちら側」を覗き込んでいる……。
民俗伝承、オカルト、陰謀論的ミステリー、サウンドノベル的な探索感がお好きな方に、ぜひオススメしたい現代伝奇作品です!
皆さんは「ブレインストーミング」という言葉を知ってますか?
あるテーマについて、複数人で自由にアイデアを出し合い、そこから発想を広げていく。英語の“brainstorming”に由来した、「頭の中に嵐を起こす」という意味合いの話し合いの方法です。
この作品、とにかくそのブレストが面白いです。
森田記者が取材で得た情報をホワイトボードに並べ、野崎デスクと一緒に「あれも怪しい」「これも繋がる」と仮説を膨らませていく。
その結果、天才サッカー少女・剣奈の話が、いじめ、エロヒム、人体実験、国家的陰謀論へとどんどん広がっていきます。
森田記者の推理は真実なのか。
それとも……。
読者も森田記者と同じ情報だけを手がかりに、次の仮説へ引っ張られていきます。
気づけば、森田記者だけでなく、自分の頭の中にも嵐が起こる!
果たして森田記者は何を手に入れ、どう考えるのか。
ブレインストーミングの熱量が癖になる、謎多きミステリー作品です。
この作品は、謎を読むというより「疑うこと」に取り憑かれる物語です。取材メモやブレストで散らばった言葉が、読者の頭の中でも勝手に組み上がり、いつの間にか自分まで陰謀論の共同執筆者になってしまう感覚がたまりません。真実へ近づいているのか、それとも恐怖そのものに誘導されているのか、その境界がじわじわ溶けていく読書体験を味わえます。
何気ない会話や違和感まで伏線候補に見えてしまい、ページを閉じても考察が止まりません。そして剣巫女シリーズでおなじみの彼女が姿を見せた瞬間、「世界は確かにつながっている」と思わず頬が緩みました。
伝奇、ミステリー、考察好きなら、この底なし沼に是非一度足を踏み入れてみてください。
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