この作品は、特殊な能力を持つ異星人の少年を巡るSFでありながら、奪われた記憶と自分自身を取り戻していく過程を丁寧に描いた物語だと思います。
捕虜として現れたレイは、能力を持たない人間を見下し、大人びた態度を取る謎の少年です。しかし物語が進むにつれて、その言動の裏に隠されていたものが少しずつ明らかになり、最初に受けた印象そのものが変わっていきます。
特に印象的なのが、強力な能力を単なる才能として描いていないところです。幼い少年がその力ゆえに利用され、自分で考えることや過去を振り返ることまで奪われていたことが分かるほど、「自分の意思で選ぶ」ということの重さが伝わってきます。
また、レイを助けようとする樹里亜たちも、ただ保護するのではなく、いつか本人が自分の人生を選べるようにしようとする。その関係性にも温かさを感じました。
序盤までの紹介となりますが、レイが失われた過去とどう向き合い、自分自身の未来を取り戻していくのか、これからも追いかけて行きたいと思います。