病室で母が言った。海の彼方にはニライカナイという世界がある。生命が生まれ、最後に還る。其処に苦しみはなく、永遠の平穏が約束されるという。母が亡くなり、悲しみから逃れるために彼女が見た青の原点を探る。果てしない水平線は、日によって表情を変えた。人は死んでも、無になるわけではない。海へと還り、巡っている。嵐の夜を越えて、新たな命が育まれる。壊れ、また生まれる。大いなる循環の中に、私たちは生きている。