本作は、果たされなかった約束が果たされ、離れ離れだったものがひとつになる……それは長く、長く続く……という感じのハッピーエンドなファンタジーです。ロマンスはさっぱり爽やかめ。
ネタバレ怖さで何言ってんだこいつな状態ですが……
すでに別の方がレビューしている通り、本作は四万字未満と短いのに、かなり読み応えがあります。それでいて文章はやさしめで、頭にすっと入ってくる。とりあえず開いて読む、をお勧めします。
で、終わるとレビューにならないのでいったん続けます。
主人公は、南のマクラウドの令嬢ソルカさん。赤い髪に青い目で誇り高く、気が強めの素敵な女性です。
婚約破棄という、不遇なヒロインが主人公のものにありがちなスタートなのに、ソルカさんはだいぶドライです。相手を憎むでもなく、いま自分にできることを考える。素敵な女性です。ちなみに、婚約破棄ものだと高確率で異世界転生ものと勘違いが生まれかねないので言っておきます。現地ものです。二度目の人生とかでもありません。
話を戻します。
婚約が無くなって身軽になったソルカさんが選んだのは、祖先の剣に記された言葉に従って北へ向かうこと。本作のスタート地点です。
遠い過去、南のマクラウドは北と何神約束をしていたらしい。
北の地である場所をずっと見守り続けた封印守の魔法使いと出会ったソルカさんは、知られざる祖先の歴史を知っていくことになるのですが……
かつて、北の地でソルカさんの祖先に何があったのか。
いまの封印守の魔法使いは何を見守っているのか。
事実を知ったソルカさんは何を選択したのか。
このあたりはネタバレとなるため伏せて起きます。
ぜひ、直接ご確認ください。
最後に。ソルカさんの祖先についての記録の内容や、封印守のお話には切なさで胸が詰まります。
それと同時に、思います。
ソルカさん、素敵な女性すぎる。
こざっぱりとしていて、誇りたかくて、強い。初めは謎が強めな、封印守の魔法使いとの会話も、ラストはソルカさんの性格も相まって微笑ましさ倍増です。本作はキャラクターもお勧めする理由と言えるでしょう。
お勧めです。