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或いはもう一方の火球

或いはもう一方の火球

魔山十銭

おすすめレビュー

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★★★
★18
6人が評価しました
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本文ありのおすすめレビュー

  • 小野塚 
    2129件の
    レビューを投稿
    ★★★ Excellent!!!

    今生には稀代の怪談。

    と或る地方で怪談を収集している時に世話に
    なった旅館の主と、偶然にも都会の喫茶店で
    再開した ホラー小説家 の男。
     嘗て聞いた話の他にも何か 怖い話 は
    ないかと尋ねたのだが。

     相好を崩しつつ とっておきの 話を
    聞かせる旅館の主。その鄙びた訛りのある
    語りに引き寄せられては

     薄闇の中へと吸い込まれてしまう。


    とにかく、巧い。

    こんな怪談掌編を令和の世に目にする事が
    出来るとは。昭和の錚々たる怪奇作家も
    瞠目するほどの怪談だ。
     因果応報と、その理の外にある 何か を
    一つに纏めて丸めて火を放つ。
    鮮烈なものではない。また、陰火の如く
    茫洋としたものでもない。

     只々、黑ぐろとした業火を視るだろう。


    構成は勿論のこと、細やかな部分にも
    決して手を抜かない作者のセンスと粋には
    思わず、目を見張る。


    ラストの場面。ガラス張りのビルに映った
     巨大な夕陽の不穏さに

    この作品の非凡さを想わずにはいられない。



    • 2026年7月14日 19:46