七時十二分発の電車で、いつも同じ場所に立つ、名前も知らない男の子。そんな彼の存在が、いつしか主人公の朝に欠かせないものになっていきます。丁寧に描かれた秋田の四季と電車の情景、その中で少しずつ変化していく主人公の心がとても繊細に描かれています。「これは恋なのだろうか」と戸惑いながら、気づけば彼を目で追ってしまう。その初々しくて可愛らしい恋心に、読んでいるこちらまで優しい気持ちにさせられました。名前も知らない二人を繋ぐ「七時十二分」という時間が、とても素敵に感じられる作品です。