普通の高校生だった一郎が、帰り道で出会った少女をきっかけにローデシア王国の“準男爵”へ任じられるという急展開から物語は一気に賑やかになる。
女王マリアや騎士リサ、飼い猫バロンまで転がり込んでくる新生活はドタバタしつつも温かく、一郎が少しずつ貴族見習いとしての役割を受け入れていく過程が微笑ましい。
しかし、王国では公爵のクーデターが進行し、唯一生き残った王族であるマリアの命が狙われている。
刺客が次々と迫る中、一郎は騎士として知恵と勇気を振り絞り、守るべき人を守ろうと奮闘する。
“普通”から遠ざかるほどに広がる責任と成長。
貴族への道を歩み始めた少年の冒険と絆が魅力の物語。
貴族という言葉は、日本人にとって近くて遠い不思議な響きをしていると思う。昔はいたらしいけど、今はいない。ヨーロッパの方にはいるらしいけど、ここは日本。創作の中ではよく聞いているけど、実感がなかなか湧きづらいものだ。
そんな貴族だが、本作の主人公、一郎は偶然にも貴族に『成ってしまった』。ひょんなことから出会ったちっちゃい女の子の遊びに付き合ったら、なんと本当の貴族になってしまったのである。しかも、お付きのポンコツ女騎士までセット。かくして、主人公は何がなんだか分からないまま彼らに『仕える』ことに……
ドタバタな日常。そして、2人に隠された甘くない現実。果たして、一郎は立派な貴族になれるのか? 2人を守るというのぶれす・おぶ・りーじゅを守れるのか?