結婚するもしないも自由。
けれど、どちらを選んだとしても、その選択には責任が伴う。
この作品は、一話完結の短さの中で、その当たり前のようでいて目をそらしがちなことを、鋭く突きつけてくる物語でした。
高校時代の友人たちとのランチ。
結婚、出産、子育て、独身の自由。
何気ない会話の中で交わされる言葉は、軽口でもあり、冗談でもあり、きっと悪意ばかりではないのだと思います。
けれど、その軽さの中にある無責任さや、自分で選んだはずの人生をどこか他人事のように語ってしまう危うさが、だんだんと浮かび上がってきます。
この作品の面白さは、会話のテンポがとても軽快なのに、突きつけている問いはまったく軽くないところだと思いました。
「自由」と「不自由」を、自分に都合よく内混ぜにしてしまうこと。
選んだものの重さを、笑いや冗談で曖昧にしてしまうこと。
その危うさが、短い物語の中にぎゅっと詰まっていて、読み終えたあともしばらく考えてしまいました。
タイトルの「血痕色⦅けっこんしき⦆」という言葉遊びも、とても印象的です。
祝福の色であるはずの赤が、別の意味を帯びて見えてくる。
読み終えたあとに、タイトルの印象がじわっと変わるところも面白かったです。
加賀倉 創作【FÅ¢(¡<i)TΛ§】様の作品は、言葉の選び方や会話の間に独特の鋭さがあり、短い中でも人間関係の気まずさや、見ないふりをしている本音をすっと切り出してくるところが魅力だと感じます。
読みやすいのに、読み終えると心に引っかかる。
一話完結だからこそ、その切れ味がより強く残る作品でした。
読ませていただき、ありがとうございました。