世界最強の超能力者でありながら、自分のことを「やれやれ系」だと思っている天上天(あまがみそら)。
下校途中に駅前で名門校の高宮鏡花が巻き込まれた事件に遭遇した天が介入して撃退。
その一か月後に再会を果たした鏡花をきっかけに、この世界の真実が少しずつ明らかになっていきます。
まず主人公、天上天のキャラクターがとにかく魅力的で、その癖の強さにグッと引き込まれました。
序盤からテンポの良い対話がコミカルで楽しく、主人公に親近感が湧きます。
駅前の小さな事件から始まり、やがて神々や世界規模の危機へとつながる構成も見事で、神、悪魔、悪の組織といった世界観のスケールは壮大です。
そんな中でも、主人公の感覚が良い意味でズレており、自己認識と客観的な現実との温度差が笑いを生み、鏡花のツッコミが的確で何度もクスッとなりました。
同時にシリアスへの切り替え方も巧みで、緩急のメリハリが効いた丁寧なストーリー構成も大きな魅力です。
神様との対話においても、友達との雑談のようなゆるさがあったり、他人を思いやる主人公の発想がどこかズレていたりと、面白みが盛り沢山です。
序盤を拝読したうえでの感想にはなりますが、次に何が飛び出すかわからない物語の展開が気になります。
そんな求心力抜群の、コミカルで壮大な世界をぜひご堪能ください。