冷戦の雪原に放り出された不器用な天才若者マルセロと、人間の命すらチェスの駒として弄ぶ冷徹な知の怪物セルゲイ。
そして、圧倒的な絶望から自身の意志で「王」へと覚醒していく若き王子タリーク。
不条理な「誤入力」から始まる緊迫のサバイバルと、量子力学の理論を絡めたスリリングなハック劇はページをめくる手を忘れさせます。
理不尽な世界で孤独にすれ違っていた彼らが、技術と知性を手綱に「接続」を取り戻していく過程はあまりにも鮮烈です。
知略で大国をねじ伏せるカタルシスと、ボストンの静かなアトリエで交わされる温かな食卓のギャップに胸が熱くなります。
短編とは思えないほどの濃密なドラマと、読後に残る鮮やかな余韻に心揺さぶられる傑作SFです!!