甘えん坊でマイペース。日向ぼっことお昼寝が何より大好きなメスの三毛猫・ムギ。
ムギを飼い始めてから二十年近く。ムギはもう人間でいうおばあちゃんネコ。やがて少しずつ衰えて元気がなくなっていく様子が切なく描かれます。
そんな時、ネコを長生きさせるクスリを手に入れる機運に恵まれます。
迷わずそれをムギに与えると元の元気な姿に戻るではありませんか。
しかし、安堵するのもつかの間――
ある日突然ムギはいなくなってしまうのです。
飼い猫は死期を悟ると隠れたり逃げたりしてしまうそうですね。
元気になったと思ったのに、どうして? と頭の中を負のイメージがよぎり、掻き立てられる心地も去ることながら、失意の中で今度は自分がムギのように体調を崩してしまうことに。
ムギへの思いが溢れていく。
労いと後悔と……
愛猫への気持ちを重ねる描写が胸を打ちます。
そんな中、一人暮らしの身の回りの世話をする存在が現れます。
その存在とは……
クスリの効果は?
ムギは再び戻ってくるのでしょうか。
読者の想像に委ねる作風。
短いながらも猫に捧ぐささやかな愛を、感じ取ってみてください。