完全没入型VRMMOを一人で作れる才能。
これだけ聞くと、圧倒的な才能で何もかも一気に解決していく話かと思いました。
でも面白かったのは、未来の技術を理解できても「人を描くこと」や「面白い物語を作ること」は別だったところ。
子どもたちが集まった「榊塾」でいろいろな人間を見て、その経験までゲーム作りに持ち帰っていく流れが好きです。
そして主人公の中で分かれた思考たちが、それぞれ担当と個性を持ちはじめ、一人制作なのにだんだん開発チームみたいになっていくのも面白い。
作る側の暴走気味な情熱と、それを遊んだ人たちの掲示板での反応が交互に来るので、「次は何を作って、世間がどう騒ぐんだろう」と読み進めたくなります。
一人で自分の理想の世界を作る。
その夢が少しずつ現実になっていく過程が楽しい作品です。