戦場で聖女として人々を癒やしてきたナディアの姿から始まり、仲間たちとの穏やかで温かな時間が丁寧に描かれていて、まずその優しさに惹き込まれました。紅茶やケーキを囲んで笑い合う場面は、戦乱の中に咲いた小さな花のようで、彼女が守りたいものが自然に伝わってきます。だからこそ、その後に訪れる理不尽な展開との落差が強く、物語に一気に緊張感が生まれていました。信じていた相手から向けられる裏切り、聖女という立場が権力に利用される残酷さ、そしてナディアが抱く恐怖や失望が胸に迫ります。甘く優しい日常と、冷たい現実の対比が印象的で、主人公を応援したくなる力があります。彼女が大切な絆を守るために、ここからどう立ち上がっていくのか、とても気になる作品でした。