「私はあなたに興味がない」
その一文だけを見ると、とても冷たい言葉のように感じます。けれど読み進めていくうちに、この作品は誰かを突き放すためのものではなく、人と人との関わりをどこまでも正直に見つめようとする作品なのだと感じました。
友達、恋人、家族。どれほど近しい相手であっても、完全に相手そのものを知ることはできない。好きだと思っているものも、顔や声や手や作品やセンスといった、その人を形作る一部なのかもしれない。
その考えは少し寂しくもありますが、だからこそ「四捨五入であなたが好きだ」という表現が、とても印象に残りました。興味があることと、愛があることは、必ずしも同じではないのかもしれない。不完全で、曖昧で、それでも確かにそこにある好意。その距離感が、妙に人間らしくて胸に残ります。
加賀倉 創作【FÅ¢(¡<i)TΛ§】様の作品は、言葉の選び方がとても独特です。冷たく見える言葉の奥に、誠実な問いがある。突き放しているようで、実は人が人と関わる意味を真剣に探している。その不思議な温度が、この作品の魅力だと思います。
そして最後にたどり着く「宇宙とひとつになりたい」という感覚には、人間関係だけに収まらない、大きな広がりがありました。
人に興味がない。
私に興味がない。
けれど未知には惹かれる。
孤独でありながら、どこか壮大で、読み終えたあと静かに考え込んでしまう一作でした。