このお話は、声を奪う侵略者に抗う、「透明な少女」の成長ストーリーです。声を奪う異形の侵略者に脅かされた現代世界で、声が物理的な力=ヴォーカル・アーツとなるというチート能力を与えられた少女の成長物語です。児童養護施設で育った少女は、自分のルーツも居場所も分からない「透明な存在」だと感じながら、XTuberとして朗読配信を続けていました。その中で、彼女は、自分の、視聴者を癒やす不思議な力や、他者の痛みをそのまま受け取ってしまう共感能力などに気づきます。声霊との邂逅で新しい名を得た彼女は、侵略者の襲撃に巻き込まれながらも魂の叫びで防御のアーツを覚醒し、救われ、学園に招かれます。そして彼女は学園で、戦う技術、台本を魔導書へ昇華する力、支援に徹する役割など、様々なスキルを学びます。彼女はまた、厳しい発声・体力・脚本講習や神父の言葉を通して、「逃げずに自分の声で誰かを守る」ことを学んでいきます。さあ、彼女はどのように成長し、運命にあらがっていくのでしょうか。続きはぜひ本編でお確かめください。【レビューコンテスト応募】
まず目を惹かれるのは、自身の声を力に変えて怪物と戦うというバトルものとして新鮮な設定です。
人の声を奪う怪物、ネミノクス。
強い想いを言葉に乗せ、物理的な力に変える秘術、ヴォーカル・アーツ。
これだけで、この手のバトルものが好きな人は必ず興味を持つはずです。
もちろん設定だけでなく、実際の戦闘シーンも文章が洗練されていて、迫力があります。
声を奪う怪物という設定も、歌手や声優さん、Vtuberなど、人の声がこれだけ人々の生活に密接になっている今だからこそより切実に感じられてとても良いです。
また、心情描写がすごく丁寧で、主人公の優しくて思いやりのある性格にも好感が持て、誰かを守るために戦うという動機にも説得力があります。
主人公である瑞穂ちゃんを取り巻く登場人物たちもすごく魅力的!
瑞穂ちゃんをサポートする声霊のレイ様、先輩戦士であり瑞穂ちゃんを助け導く役割の少年・宵月空夜くん。
いずれもキャラが立っているので、登場人物のやり取りを追っているだけで見応えがあって面白いです。
ここから能力の訓練をするための近代的な学園都市、『神代言ノ葉繋学園』が舞台になっていくのも心躍ります。
今後の展開がすごく楽しみな作品です。
この作品は、「声が魔法になる」という設定を通して、人が誰かと繋がり、自分の居場所を見つけていく過程を丁寧に描いた作品だと思います。
特に印象に残ったのは、児童養護施設で心を閉ざしていた奏に対し、瑞穂が台本を変えて「この世界に、いらない子はいない」と伝える場面です。自分自身も出生や本当の名前を知らずに育った瑞穂だからこそ、その言葉には強い説得力があり、声が人の心を救うという本作の核がよく表れていました。
もう一つは、サンシャインシティでネミノクスの大群と戦うエピソードです。専用武器がない状況で、ビニール傘や身近な道具をアーツへ変え、それぞれの能力を組み合わせて戦う展開には、能力バトルとしての面白さがありました。特に、突出した力がないと悩んでいた空夜が、仲間を繋ぐ指揮役として力を発揮する流れが印象的です。
単なる声優や配信を題材にした学園異能ものではなく、自分の声を持つこと、誰かの声を受け止めること、そして異なる力を繋ぐことが、本当の強さとして描かれているように感じました。
物語はまだまだ続くようなので、これから追いかけたいと思います。