冒頭から、あまりにも大真面目な語り口でBL/GLを論じ始める勢いに、思わず笑ってしまいました。
けれど読み進めるうちに、この作品はただのネタではなく、「恋愛をどう見るか」「物語をどう受け取るか」という鑑賞者側の視点まで含めた、とても面白い思考実験なのだと感じました。
難しそうな言葉を並べながらも、語り口には勢いと遊び心があり、気づけばその独自の理屈に引き込まれてしまう。学術論文のような顔をしているのに、途中からどんどん熱量が上がっていき、最後にはほとんど祈りのような宣言にたどり着く。その緩急と勢いが、加賀倉 創作【FÅ¢(¡<i)TΛ§】様らしい魅力だと思います。
特に「腐女子と、腐男子とは、研究者だったのだ!!」という飛躍には笑いました。けれどその笑いの奥に、好きなものを好きだと言うことへの肯定や、恋愛作品を愛する人たちへの祝福のようなものも感じられて、読後感はとても明るかったです。
BL/GLというテーマを、重くなりすぎず、けれど軽く扱いすぎず、独自の理屈と勢いで「聖なる探究」へ変えてしまう一作。
読み終えたあと、なんだかこちらまで合掌したくなりました。