ダンゴムシの吸引力

 ダンゴムシ——


 それは、子供を魅了する、謎の生命体——

 (※ただの節足動物です)




 長男が小学校に上がり、緊張気味に分団の集合場所へと向かうその背を見送りに家から出ていた、その日。


 道路横で、子供たちが集まっていた。

 何かを取り囲んでいる。


「……? どうしたんだろ? 誰か転んだのかな?」


 登校中の別の子が叫んだ。


「なにしてんのー?」

「ダンゴムシー!」


 ダンゴムシかい。




 しばらくして。


「今日ね、分団でお友だちとしゃべった」

「へえー! 喋れたの!? すごいじゃん! 何話したの?」

「ダンゴムシ見つけて」


 またダンゴムシ。




 動物園。

 柵にしがみつき、一生懸命目を凝らす長女と長男。


「ほら、ヤブイヌめっちゃかわいい!」(←私)

「えーどこー?」

「あ、うしろにアリクイいる——はっ!?」


 何かに気づいた長男が、地面に顔を向けた。


「ダンゴムシ!! でかっ!!」

「えっ!? でかいダンゴムシどこ!?!?」

「ほらここ! でけー!!」

「つかみたい!!!」


 動物<ダンゴムシ☆

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る