伝えたい想いは、いつも心のすぐそばにある。何気ない日常の中で揺れ動く想いや、人と人との距離が丁寧に描かれています。一つひとつの物語に、それぞれ違った切なさや優しさがあり、大切な人を想ったことがある人なら、きっと心に響く作品です。
現実の冷酷さに夢をブチ破られ、若くして散った女性・ねね。その悲惨な生涯に胸が締め付けられるが、本作の本領はその先にある「時間の奇跡」だ。晩年、後悔を抱えるシンの前に、母の形見の緑のスニーカーを履いたねねの娘が現れる。絶たれたはずの夢が時を超えて結実する魂の救済劇、そして最終話の切なくも温かい余韻。理不尽な世界で本気(マジ)で生きた人々の痛みに寄り添う、美しい人間讃歌の傑作。【レビューコンテスト応募】