法がない場所でさえ、人は集まって住まざるを得ないらしい。
半ば必要悪として組織が生まれる。そう、カネを牛耳るアンダーキールや、救いを説く浄火教団。さらには闇に蠢く暗殺者ギルドのような。
それぞれに思惑があり、手を組み……結局のところ、争う。
個人は組織に属するか属さないかを問わず、巨大なパワーバランスの中で揺蕩うしかないのだ。
誰であっても心から信用することは命取り。あるのはただ利害関係と損得勘定の成れの果て。
沈み切った世界の、もっとも仄暗い場所で出会った男と女。
非凡を見せる彼らの過去の傷は? また今の目的とは?
タイトルにある「プルガトリオ」の意味を知ったとき、すべては同時に動き出す。
口の中に灰のざらつきを覚えるようなハードボイルドな文体と、息の詰まる展開。
重厚な作品を求める方へ、太鼓判でオススメします。