幼い日の「約束」が、こんなにも重く物語を動かしていく。
冒頭から描かれるのは、寒さと空腹の中で力尽きようとしている少年・光里。
そんな彼が最後に願うのは、かつて大切だった「あの子」にもう一度逢うことでした。
そこから蘇る、幼馴染・千鶴との記憶。
「いつか、絶対に逢いに戻ってくる」
「ずっと待ってるからね」
まだ8歳だった二人が交わした約束だからこそ、純粋で、真っ直ぐで、胸に残ります。
だからこそ、その直後に示される「その約束は叶わなかった」という事実が切ない。
さらに印象的だったのが、物語の最後です。
再会を願っていた少年の想いから一転して現れる、誰かに向けられた激しい憎悪。
「逢いたい」という願いと、「絶対に許さない」という感情。
この二つがどう繋がっているのか。
光里と千鶴に何が起きたのか。
そしてタイトルにもある「異世界転生」が、この約束にどう関わってくるのか。
第1話だけでいくつもの謎が残され、続きを確かめたくなる導入でした。
これは単なる異世界転生ではなく、「失われた約束」を巡る物語なのかもしれない。
二人の約束の行方を、最後まで見届けたくなる作品です。