30日間の無人島サバイバル。
与えられた予算は、たったの3,000円。
つまり単純計算で、1日100円で生き残れということです。
この時点で、もう設定からして強い。分かりやすい。
しかも本作で使えるのは、本格的なサバイバル装備ではありません。舞台は100円ショップ。制限時間は15分。そこで選んだ30品だけを持って、年齢も国籍もバラバラな男女が謎の無人島へ放り込まれます。
この作品の面白さは、完璧なサバイバルの達人が無双するところではなく、足りないものだらけの人間たちが、足りない道具を組み合わせて生きようとするところにあるんだと思います。
『一見役に立たないはずの「毛糸」や「トランプ」、「水鉄砲」が、後半まさかの大化けをする』
とあるように、毛糸、トランプ、水鉄砲。
日常では安価な雑貨にすぎないものが、無人島では命をつなぐ道具になり、やがて暮らしを作る材料になっていく。どう使われるのか楽しみです。
ただ生き延びるだけの「生存」から、知恵と工夫で環境を変えていく「文明」へ。
100均グッズは、単なる商品ではなく、人類が積み重ねてきた文明の部品だったのだと気づかされます。
読んでいると、自然に考えてしまいます。
もしも自分が同じ状況なら、15分で何を選ぶか。
3,000円で何を諦め、何を持っていくか。
そして、百円玉一枚分の文明で、今日をどう生き延びるか。
さらに読者として安心できるのは、全13話で完結まで用意されていること。こういう設定勝負の作品は、途中で止まると残念な結果になりがちですが、本作は短期集中で最後まで駆け抜ける構成なのが有難い。
全13話、毎日ちゃんと更新されるので。13日間のお祭りのように楽しめる、発想力と実用ロマンに満ちた無人島サバイバル。
読んだ後、きっと100円ショップの棚が違って見えるはずです。
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