失恋の憂さ晴らしで怪しげな店に迷い込んだ主人公が、ぼったくられながらも最後に不思議な救いを得る、ユーモアとオチのキレが光る見事な短編です。
「将来的に必要」という言葉の意味が、店主の目先の事情と主人公の少し先の未来の双方で綺麗に回収される構成の妙があり、コミカルながらも読後感が非常に爽やかで楽しめました。
「誰にとって必要か」というタイトルとオチのダブルミーニングが良い。
店主にとっては「今日の家賃支払いに必要」という現実的なオチでありながら、主人公にとっては本当に「運命の出会いに必要なもの」へと変わる二重の回収が鮮やかで秀逸です。