「路川街」という流れ者が集う街の湿度の高い空気感や、他国の言葉を「ぴーぴー!ぱーぱー!」と揶揄する墨のちょっと偏屈で俗っぽいキャラクターから始まるのが非常にリアルで面白いです。
そこからの、夜の暗殺者との対峙で見せる「格の違い」と底知れぬ余裕。日常の泥臭さと、異能の非日常感が絶妙なバランスで同居しています。
主人公「墨」の圧倒的な強キャラ感が魅力的でした。
普段は丸眼鏡に藍色のおかっぱ頭、金欠でオンボロ宿に泊まるしがない物売り。
しかし、刃を突きつけられても一切動じず、それどころか言葉だけで少年暗殺者の主導権を完全に奪い去る、黄色の瞳の静かな威圧感が最高に魅力的です。
「この男には勝てない」と読者にも一瞬で分からせる説得力があります。