仮に、明日から起きることが断片的にでも解るようになったとする。
明日、自分はこんなミスをし、こんな嫌な思いをする。
これが全て解ったとする。
自分だったら、解った時点で対策を練るだろう。明日の自分が傷つかないように。
そしてやがて気がつくんだ。
そもそも、未来が見えるんだったら、働く必要すらないのではないか?
本来は、極上のスリルを味わうためのギャンブルは、ただの資金調達になる。
人生とは、過去の失敗から学び、少しずつ成長を重ねるものではあるが、
未来から成功が学べてしまうのは、果たして人生と呼べるのだろうか?
本書はそのような哲学的な問題に切り込む作品……
……
……
……
……
……
だと思っていたのだが、終盤で、全く出口の異なる不条理に突入することを強いられる。
朝から、びっくりしてしまった……。
そして、考えないといけないことも全く異質のことになってくる。
なぜ、この未来は読めなかった?
彼らの正体は?
どうして主人公に?
そもそも、主人公のこの力は、なんだ?
頭に大量の疑問符の種を植え付けられて、物語は水飛沫をあげ、彼方へ消えた。
難しい問題ではあるが、
うーむスマートに考えるなら、この力は未知の存在に与えられた力だった。
……ということになるのだろうか?
今回は少し驚かされました。
ご一読を。
すごく未知の世界を覗き込んでいるワクワクが味わえ、ぐいぐいと読み進めさせられます。
主人公は「予知能力」の持ち主。幼い頃から未来を見ることができ、競馬やデイトレードで楽して金を儲けられるなどの「イージーモード」な人生を享受している。
この感じ、かつては多くの人が「あったらいいな」と考えていたシチュエーションではないでしょうか。
ギャンブルで超能力が使えたら、あとは試験問題を予知で割り出せたら。
そんな風に人生を楽に乗り切るギフトを得ていた主人公。しかしその反面で「未知」がないことも当然彼の人生には付きまとうことにもなり。
この先で彼がどんな体験をすることになるか。
物語の先を想像すると、また別のワクワクが刺激されるのが魅力的でした。
「彼という存在が享受していた未知の世界」から「彼が享受するであろう未知の世界」。
想像力を強く刺激してくれる、素敵な作品でした。
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