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人柱にされたのは姉ではなく弟でした。〜百年越しの手記〜

人柱にされたのは姉ではなく弟でした。〜百年越しの手記〜

九重 有

おすすめレビュー

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★★★
★9
3人が評価しました
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本文ありのおすすめレビュー

  • 一 十一
    811件の
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    ★★★ Excellent!!!

    美しくも残酷な格差と、歪なほどに強い双子の絆を描く傑作伝奇

    山の底に沈む村の霧、かかあ座の発する冷気、そして明確に差別される「二つの椀」――。圧倒的な筆力で描かれる「静かな村の狂気」に震えました。
    読者はタイトルによって「姉が人柱に選ばれ、それを弟が身代わりに受ける」という未来を知っているため、弦が結を守ろうと怒るすべての言葉、結が弦を庇おうと浮かべるすべての笑顔が、未来の悲劇へのカウントダウンとして胸に刺さります。
    「二つの椀」に込められた、言葉以上の冷酷な格差描写
    白い米が混ざる弦の椀と、底がひび割れ、焦げた粟ばかりをよそがれる結の椀。
    祖母の「女は腹さ膨れりゃ足りっぺ」という言葉や、それを見て見ぬふりをする父親の横顔から、この村における「女の価値の低さ」が冷徹に描かれています。しかし、この『生贄として雑に扱われている姉』という現状こそが、後半の不穏な引きへの見事な仕掛けになっています。

    • 2026年6月24日 07:34